「ずっと我慢してきたけど、もう限界だった」上司との関係に揺れた女性の、心の整理と回復のプロセス

■ ご相談内容
職場で共に働く女性上司が今月末で退職することが決まり、
その知らせを受けたYさん(仮名・30代)から、複雑な感情を抱えたご相談がありました。
上司の口調や態度が常に威圧的で、笑顔を忘れてしまうほど精神的に消耗していた
管理者でありながら自らの非を認めず、間違っても謝らない姿勢に憤りを感じていた
自分の業務スキルが上がるにつれ、上司の業務の非効率さに気づき、改善提案をするようになったが、それ以降圧力が強まっていった
業務評価シートに書かれた内容に傷つき、人格そのものを否定されたようなショックを受けた
ロッカー使用に関する意見を伝えた際にも「あなたは繊細すぎる」と返され、さらに傷が深くなった
感情を抑え続けた結果、ついに爆発してしまい、その出来事に対する自己否定も抱えていた
さらに、新しく入ってきた同僚との関係性にも不安を感じている

■ カウンセリングでのやりとり
Yさんの話には、怒りや悲しみだけでなく、深い我慢と自責の気持ちが込められていました。
「こんなに我慢してたのに、最後の最後で感情を出してしまって…。なんだか、自分が全部ダメだったみたいで…」
私はまず、Yさんの感情の“正しさ”を確認しました。
「それだけのことを、ずっと耐えてこられたんですよね。我慢していたものが溢れたのは、“弱さ”ではなく“人として自然な反応”なんです」
そして、上司の言動の背景にある心理(不安やコントロール欲)にも触れ、
“自分が悪かった”という一方的な思考から抜け出す視点を一緒に育てていきました。

■ 心が軽くなるためのヒント
「相手の言葉=真実」ではないことに気づく
「繊細」「我慢が足りない」などの言葉に振り回されるのではなく、
“それは相手の感覚・表現であって、自分の本質ではない”と認識を修正する。
一度ノートに「相手が言ったこと」と「自分が感じていること」を分けて書いてみるワークを提案。
自分が大切にしていた“価値”を思い出す
Yさんがこれまでやってきた「丁寧な仕事」「相手を思いやる姿勢」など、
自分が大切にしてきた“働き方の軸”を言葉にしてもらう。
評価シートでは測れない、“自分にとっての誇り”を明確にする。
“感情を出す=失敗”ではなく、“心のサイン”として受け取る
最後に怒りが噴き出したのは、“限界だったこと”を心が教えてくれたサイン。
それを否定するのではなく、「これからは、もう少し早く気づけるようにしよう」と
“振り返り”として自分に優しい意味づけをしていく。
新しい同僚との関係性は“過去とは別物”として捉える
人はつい「前の人のようになるかも」と思ってしまうが、それは不安が過去と現在を混同させているだけ。
“今の人”と“今の自分”を信じて、少しずつ関係を築いていく姿勢を持つようサポート。

■ 蒼野温子としての総括
Yさんのように、「一生懸命やっているのに、報われない」「評価ではなく否定ばかりされた」と感じるとき、
心の奥にある自尊感情が静かに傷ついていきます。
でも、
「耐えてきたこと」も「怒りを感じたこと」も、全部が“自分を守ろうとした反応”なんです。
カウンセリングでは、そういった心の動きを“失敗”や“問題”と捉えるのではなく、
“ここまでよく頑張ってきた証”として受け取る視点を大切にしています。
Yさんは今、
過去の出来事を振り返りながら、「もう一度、自分にやさしくなろう」と歩み始めています。
これからの職場での人間関係も、
“過去のパターン”ではなく“自分らしい距離感”で築いていくことができるはずです。

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